2021年・2020年神奈川県共通選抜学力検査「数学」比較

昨日行われた2021年神奈川県公立高校共通選抜学力検査の数学について2020年の問題と比較しながら分析していきたいと思います。

2021年神奈川県公立高校共通選抜「数学」問題分析

問1 計算問題

2021 2020
(ア) 正負の数の加減(整数) 正負の数の加減(整数)
(イ) 正負の数の加減(分数) 単項式の除法
(ウ) 単項式の乗除混合 平方根の計算(簡約化・分母の有理化)
(エ) 多項式の計算(分数) 多項式の計算(分数)
(オ) 平方根の計算(乗法公式の利用) 平方根の計算(乗法公式の利用)

難易度は昨年と変わらず。

1問も落とせない問題ばかりというのは例年通りです。

配点は各3点・計15点のままでした。

問2 小問集合

2021 2020
(ア) 因数分解 連立方程式の利用
(イ) 2次方程式 2次方程式
(ウ) 2次関数の変化の割合 2次関数の変化の割合
(エ) 不等式の立式 1次方程式の文章題
(オ) 平方根の利用 平方根の利用
(カ) 円周角の利用 円周角の利用

難易度的には昨年とほぼ変わらずといった印象です。

配点は各4点・計24点で昨年と同様です。

問3 小問集合

2021 2020
(ア) (i) 合同の証明 (i) 相似の証明
(ii) 面積比の利用 (ii) 同一円周上の点
(イ) 資料の整理 資料の整理
(ウ) 1次関数の利用(水そう) 平面図形(求積)
(エ) 連立方程式の文章題 反比例の利用(歯車)

(ア)(i)の証明問題(穴埋め)の難易度に大差はありません。

(ア)(ii)は今年の問題の方が明らかに難易度が高いものとなっています。

比較をするなら、2021(ア)(ii)と2020(ウ)を比べるべきでしょうか。

ステップ数や計算の難易度は2020(ウ)の方が難しいのですが、受験生にとっては「どこかで見たことある問題」です。

2021(ア)(ii)の方があまり見慣れない問題だと思いますので、その分正答率にどう影響してくるでしょうか。

解法をひらめきさえすれば2021(ア)(ii)の方が解きやすいとは思います。

(イ)の「資料の整理」は昨年と同様「難しくはないが面倒くさい」問題です。

ただ、吟味する内容が昨年より今年の方が少ない分手間は少ないでしょうか。

(ウ)の水槽の問題は、神奈川県入試で扱われたことはあまりありませんが、「1次関数の利用」の問題としては頻出のものなので、色々な問題に触れてきた受験生であれば対応できたでしょう。

(エ)は連立方程式の文章題。2018年・2019年の1次方程式の文章題と比べるとかなり立式しやすい問題です。

配点は細かい部分で違いはありますが合計23点は変わりません。

問4 関数

出題形式は例年通りでした。

(ア)(イ)ともに難易度は昨年通りといったところでしょうか。

(ウ)は今年の方が昨年よりも少し難しい感じですが、2019年の問題とほぼ同じ考え方で解けるので、過去問をしっかりとこなしたかが正解・不正解の分かれ目になったかもしれません。

配点は昨年と同様14点です。

問5 確率

関数と同様、出題形式は例年通りでした。

難易度は昨年と同程度という印象です。

ルールが少し複雑でしたが、きちんと読み取って丁寧に表を書ければ正答にたどり着けたかと思います。

入試という空間の中で、如何に焦らず取る組めるかがカギとなります。

配点は昨年と変わらず計10点です。

問6 空間図形

こちらも出題形式は例年通りでした。

(ア)(イ)ともに基本的な問題でした。

昨年との比較で言うと(イ)はかなり解きやすくなりました。

(ウ)は昨年と同様、表面上の最短距離を求める問題です。

正答にたどり着くためのステップ数が(ア)(イ)と比べれば多いですが、2019・2020ほどの難易度ではありません。

配点は昨年と変わらず計14点です。

総評

昨年と出題方式・傾向は大きく変わりませんでした。

多数の解きやすい問題の中に、少数の難問があるという難易度設定も相変わらずです。

全体的な難易度は易化と言っていいでしょう。

「少数の難問」が昨年と比べて解きやすくはなっています。

合格者平均点は昨年の55.7点から多少高くなるのではないでしょうか。

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